2018年12月27日、小笠原満男選手が引退を発表しました。
背番号(40番)の年までは現役でプレーする、と聞いていたので、突然の発表に驚きを隠せません。
小笠原選手はアントラーズの20冠のうち、17冠を経験している正真正銘のアントラーズのレジェンド。
試合になったら勝利のことしか考えない、ジーコイズムを地でいくキャプテン。
敵チームの選手には恐れられ、敵チームのサポーターには憎たらしいとの最高の褒め言葉を浴びせられる頼もしい背中…
無愛想に見えるけど、ほんとは心優しい満男さん。
東日本大震災の時の悲痛な表情、想いに駆られて震災直後に被災地に赴く姿、その後も活動を続ける姿には胸が熱くなりました。
口数は多くないけど、その少ない言葉一つ一つにとても大きな想いが詰まっていること、サポーターは知っていました。
そして実はちゃめっけたっぷりな満男さん。いたずら好きで、メンバーをいじり倒すちょっと恐ろしいエピソードを聞くのが楽しみでした。
私はそんな小笠原選手のことが大好きで、ここ数年は彼のユニフォームを買い続けて応援していました。
イタリアから帰ってきた後の、ボールを奪い去るボランチのプレーが大好きで、そこから出される縦パスはイタリアに渡る前のプレースタイルとはまた違う魅力があり、毎回痺れていました。
私は彼のプレーを見てどんどんサッカーにのめり込んでいきました。
彼がいなければ、こんなにサッカーを、アントラーズを好きになっていないと思います。
そんな彼のプレーをもう見れないのです…
この気持ちをどう処理したら良いかわかりません。
小笠原選手だけでなく、アントラーズというチームが大好きで、他の選手も大好きですが、小笠原選手は特別で…
正直な所、来シーズンからどんな気持ちで応援したらよいのかわかりません。私はこれまでと同じ気持ちで応援できるのでしょうか、
彼が抜けた後、勝利のメンタリティはなくならないだろうか。彼が現役の間に他の選手に受け継がれたのだろうか。他の選手はどこまで彼の気持ちを体現できるのだろうか。。。
自分の気持ちに対しても、チームに対しても、不安な気持ちが大きいです。
これまで、アントラーズで応援している選手が移籍してしまったり、引退してしまったりということは何度もありました。
記憶に残るのは2013年に浦和レッズに移籍した興梠記慎三選手。
高校時代から好きで応援していた選手なので、移籍はショックでした。しかも最大のライバルの浦和レッズに…
2012年のホーム最終戦後にスタジアムを一周する際、フードを目深にかぶり泣いている様子に移籍を確信しました。大好きな選手を自分のチームの選手として応援できなくなる現実に、胸が張り裂けそうになりました。
他にも新井場、野沢、田代、本山らの他チームへの移籍、そして中田浩二、柳沢敦というアントラーズのレジェンドの引退と、たくさんのつらい場面を経験してきました。
その耐え難いつらさを感じるたびに、「今このメンバーで試合ができるのは、今日のこの試合しかない。だから、多少お財布が厳しくても、スケジュールが合わなくても、ちょっと家で休みたいときもなるべく都合をつけてスタジアムに足を運び、この試合を見れる喜びを心に刻もう」と思い、足しげくスタジアムに通うようになりました。
私のサッカー観戦の原点は、この想いにあります。
だから、、、
後悔はない。。と言いたいけど少しはある。。
小笠原選手がプレーしている姿をこの目で見れるのは、あと何十年もあるわけではないからしっかりこの目に焼き付けよう、とは最近強く感じていました。
だからその時々、きちんと彼のプレーを目に焼き付けてるつもりではいたのですが、いざ、もう見れないとなると、もっとしっかり見れた、もっと記憶できていたのではという想いがふつふつと湧き上がってきます。
もう一度、あなたが駆け抜けた現役生活を横で見ながら同じ時を過ごしたい…
そのプレーの一つ一つを目にこびりつけて、一生記憶からなくならないようにしたい…
しかしそれは叶いません。
引退の大きな理由は「チームを勝たせられなくなったから」だそうです。
まだプレーしたい気持ちはあったけど、チームが強くなることを思って決断したと。
チームの勝利を一番に考え、そのために自分は何ができるかを考え続けていた彼だからこその決断だと思います。
引退会見を見て、小笠原選手の想いが伝わり、少し気持ちが楽になりました。
小笠原選手、鹿島アントラーズでプレーしてくれて、そしてアントラーズで引退してくれて、ありがとうございました。
あなたの姿は永遠に私の心の中で輝き続けます。
これからの人生も、幸多きものになりますように。
そしてあなたが愛した鹿島アントラーズをこれからも応援し続けよう、と会見をみて思いました。
もっとアントラーズが強くなるよう、全力で応援します。
これからも一緒に闘ってください。
本当にありがとうございました。